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【軍事ワールド】ドイツ空軍大ピンチ 使える戦闘機は4機だけ? 背景に「財政健全化」と「大連立」

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ドイツ空軍大ピンチ 使える戦闘機は4機だけ? 背景に「財政健全化」と「大連立」

ドイツ空軍のユーロファイター戦闘機。欧州の報道では、稼働率の低さが懸念されている(ロイター) ドイツ空軍のユーロファイター戦闘機。欧州の報道では、稼働率の低さが懸念されている(ロイター)

 もし“緊縮予算”が続けば、外交にもかかわる多国間プロジェクトをキャンセルせざるを得ない-。こんなプレッシャーをかける必要に迫られるほど、ドイツの防衛費不足は切迫している。実際、英紙(テレグラフ紙電子版)ですら、空軍だけではなくドイツ陸軍においても244輌あるレオパルト2戦車のうち、戦闘行動可能なのは95輌などといった予算不足の実情をあげているのだ。

 こうした動きのなか、運命の5月2日となり、メルケル首相は18年度の連邦予算を決定。その防衛予算は前年比15億ユーロ増の385億ユーロ(約5兆281億円)に決まった。またショルツ財務相は中期財政計画基準値では2019年度の防衛費を415億ユーロ(約5兆4199億円)に増額するなどの数値を示したが、いずれも2%にはほど遠く、「中期」においてもライエン国防相の求めた120億ユーロ増に対し、「55億ユーロ(約7183億円)しか用意できなかった」と現地メディアは厳しく批判している。

 ただ、ドイツを含む欧州連合(EU)には、財政赤字が対GDP比で3%、債務残高が対GDPで60%を超えないこととする「マーストリヒト基準」があり、メルケル政権もその数字に長年悩まされてきたあまり、財政健全化を重視しすぎるとの声が経済専門家の間にはある。

 一方、ショルツ財務相は、昨年の総選挙で第2党となった中道左派のドイツ社会民主党(SPD)の臨時党首を務めるなど、選挙後の大連立において存在感を示してきたが、そもそもSPDは総選挙で戦後最低の得票率となり、野党に転じる予定だった。財務相という重要ポストをSPDが得たのも、大連立をなんとしてもまとめたいメルケル氏率いるCDU・CSUの譲歩と見られている。

 自国どころかユーロ圏全域に緊縮財政を突きつけてきたメルケル首相と、じり貧の中道左派の財務相による予算編成に「2%」はハードルが高すぎたのか。19年度予算を本格的に議論するのは7月で、国防省はそれまでに防衛費の“改善”を求めていくという。

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