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【JR脱線13年】教訓忘れないで-のぞみ台車亀裂「怒りより失望」 PTSDに苦しむ被害者「愛犬がくれた夢と希望」

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【JR脱線13年】
教訓忘れないで-のぞみ台車亀裂「怒りより失望」 PTSDに苦しむ被害者「愛犬がくれた夢と希望」

妻の淑子さんの遺影を前に安全への思いを話す山本武さん=3月20日午後、兵庫県西宮市 妻の淑子さんの遺影を前に安全への思いを話す山本武さん=3月20日午後、兵庫県西宮市

 まぶたに浮かぶ家族や友人らの面影をしのび、鉄道の安全を祈った。乗客106人が死亡、562人が負傷したJR福知山線脱線事故から25日で13年。昨年12月にはJR西日本が運行する新幹線の台車に亀裂が入り、異常を感じながらも列車を止められなかった事態も起きた。「安全最優先の会社になって」。今も消えない悲しみや苦しみのなか、事故現場を訪れた遺族や負傷者らの願いは重い。

妻亡くした山本武さん、のぞみ亀裂問題を憂慮

 妻の淑子さん=当時(51)=を亡くした山本武(たける)さん(69)=兵庫県西宮市=は25日、同県尼崎市の事故現場を訪れた。新幹線台車亀裂問題をめぐるJR西日本の対応には、「脱線事故の教訓が受け継がれていないのでは」と、怒りより失望が募る。

 「10年でも、20年でも思いが変わることはない」。山本さんは妻への思いをこう強調する。

 あの日、遺体安置所となっていた尼崎市内の体育館に淑子さんは横たわっていた。服の一部は破けていたが、それ以外に目立った傷はなかった。「遺体はその場にある。それでも実感が湧かなかった」

 やり場のない思いを抱きつつ、平成28年に経営していた繊維卸会社をたたむと、日本各地へ旅行を始めた。新婚旅行で北海道に行って以来、淑子さんと2人で旅行することがほとんどなかった。

 「見ることのできなかった景色を見せてあげられたら」。まずは新婚旅行と同じ北海道に行き、昨年は九州を訪れた。旅行から戻ると、仏壇の淑子さんの遺影に「帰ってきたよ」と報告する。今年9月には四国への旅も計画しているという。

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