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【関西の議論】原発避難者訴訟“京都基準”は根付くか 個別事情を判断、救済対象広く

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【関西の議論】
原発避難者訴訟“京都基準”は根付くか 個別事情を判断、救済対象広く

京都地裁判決を受けて記者会見する原告側の女性ら=3月15日、京都市中京区  京都地裁判決を受けて記者会見する原告側の女性ら=3月15日、京都市中京区 

 しかし判決は「国の専門機関が地震防災のために公表した見解。検討にも値しないということはできない」と指摘。国と東電について、長期評価に基づいて津波の規模の試算を行っていれば「14年末ごろまでには福島第1原発付近で、敷地の高さから10メートルを超える津波の到来を予見できた」と認定した。

 その結果、国は「東電に対して遅くとも18年末には安全対策を講じるように求める規制権限を行使すべき」で、そうしていれば事故を回避できた可能性が高いと指摘。東電に津波への対応を命じなかったのは著しく合理性に欠き「職務上の法的義務に反して違法」と結論づけた。

 京都訴訟以外の6例の判決でも長期評価は重視されており、今後の訴訟でも踏襲される可能性は高いとみられる。

「全員勝訴を」控訴

 国の責任を認め、独自の基準を提示して救済範囲を広げた京都地裁判決。だが、原告らは「手放しでは喜べない」とする。原告174人のうち64人の請求は棄却されたからだ。

 原告側代理人によると、判決では自主避難してきた子供たちの多くが請求を棄却された。避難指示区域外から避難した子供たちには、国の中間指針に基づき東電が1人当たり40万円の賠償金をすでに支払っており、地裁は賠償の上乗せが必要ないと判断したのだ。

 また、福島第1原発から距離が離れていたり、空間線量が低かったりしたと判断された仙台市や茨城県つくば市からの避難者にも賠償が認められなかった。

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