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【関西の議論】論文不正なぜなくならぬ…研究者に立ちはだかる数々の壁 

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【関西の議論】
論文不正なぜなくならぬ…研究者に立ちはだかる数々の壁 

研究の不正が発覚し、謝罪する山中伸弥教授(左)ら=1月22日 研究の不正が発覚し、謝罪する山中伸弥教授(左)ら=1月22日

 同研究所のスタッフの多くは任期付きだ。「目先の欲にとらわれてしまったのでは。焦りがあったのか…」と、男性助教は推察する。

 現在、国内の研究者を取り巻く環境は厳しくなっている。国立大学の研究資金は、国が大学に配分する運営費交付金を削減し続ける一方、他の研究テーマと競争して獲得する「競争的研究資金」の割合が増えているのだ。その結果、「短期間で結果を出すことが求められるようになった」と危惧する研究者も多い。

 この男性助教によると、教授であっても研究室にこもって研究に没頭する状況は皆無に等しいという。「競争が激しいので、他分野よりも注目されているiPS細胞でさえ、あの山中先生でも寄付を呼びかけるなど資金集めに奔走している」と指摘する。

険しい学内の道

 大学で研究者を目指す道も険しい。企業や民間の研究所などに進む選択肢もあるが、利益を追求する企業では自分の思い通りの研究をすることも難しい。

 男性助教は「大学の研究者は大学で研究することに誇りを持っている人が多く、企業などに進んだ者を“ドロップアウト組”と見なす傾向も強い」と語り、大学での研究にこだわりを見いだす層が一定割合あるとみる。

 国立大大学院の博士課程で化学を専攻した後に企業に就職した男性(27)は「ポストに就けるか分からなかったし、大学院まで出てフリーターのようにはなりたくなかった」と明かす。その一番の理由は、「自分の能力ではアカデミックでは生きていけないと思った」ことだったという。

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