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大崎事件、「私は無実」母の言葉信じ長女「強い意志」継ぐ 「母が指示したなんておかしい」

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大崎事件、「私は無実」母の言葉信じ長女「強い意志」継ぐ 「母が指示したなんておかしい」

大崎事件で殺人罪などで服役した原口アヤ子さんの再審開始が認められ、福岡高裁宮崎支部前で喜ぶ鴨志田祐美弁護士(手前左)ら。中央は森雅美弁護団長=12日午前 大崎事件で殺人罪などで服役した原口アヤ子さんの再審開始が認められ、福岡高裁宮崎支部前で喜ぶ鴨志田祐美弁護士(手前左)ら。中央は森雅美弁護団長=12日午前

 「私は無実」。そう訴え続ける母の言葉をずっと信じてきた。事件から39年。長女(63)にとって原口アヤ子さん(90)は「筋を通す、正しい人」。その生きざまから、強い意志を教わった。昨年6月、鹿児島地裁が裁判のやり直しを認め、母の思いは、12日の福岡高裁宮崎支部の決定にも届いた。

 原口さんと元夫(故人)は鹿児島県大崎町の集落で農業を営んでいた。「しっかり者で、よく働く人だった。親戚同士で畑を手伝って、みんな仲が良かった」と長女は振り返る。

 昭和54年10月に事件が起こったときは、既に関西方面に嫁いでいた。県警の捜査で、原口さんが主犯とされた。「母が指示したなんておかしい」と直感した。親戚付き合いはほとんどなくなり、故郷にも帰れなくなった。今でも事件のことを考えると、怖くて震えが止まらなくなる。

 10年の刑期を終えた原口さんは再審請求し、平成14年に鹿児島地裁が再審開始を認めた。「母はやっぱりしていない」。そう確信した。事件後、共犯とされた父からも「やっていない」と告げられた。23年、亡くなった父の無念を晴らすため自ら再審請求した。

 地裁決定はその後、取り消されたが、昨年6月、鹿児島地裁が再び裁判のやり直しを認めた。2度にわたって確定判決に疑念が生じたにもかかわらず、検察側の不服申し立てで、いまだ再審は決まらない。

 「母は一切愚痴を言わずに頑張ってきた。早く再審を開いて、無罪を勝ち取りたい」。昨年9月、宮崎市で開かれた支援者集会で、高齢でうまく話せなくなった母に代わり、勇気を振り絞って訴えていた。

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