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【関西の議論】インバウンドに黄色信号も…ムスリムの信頼揺らぐ日本の「ハラル認証」の実態

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【関西の議論】
インバウンドに黄色信号も…ムスリムの信頼揺らぐ日本の「ハラル認証」の実態

日本食レストラン「祭」では、たこ焼きや寿司などの日本料理を多くのムスリムが堪能している=大阪市福島区(祭提供) 日本食レストラン「祭」では、たこ焼きや寿司などの日本料理を多くのムスリムが堪能している=大阪市福島区(祭提供)

 そんな佐野さんも当初は認証の取得を目指した一人だった。28年5月に店を開いたが、認証に必要な厨(ちゅう)房(ぼう)の改装など高い費用がネックとなった。そんなとき、あるムスリムから「ハラル認証を取得した店が必ずムスリムから選ばれるわけではない。ムスリムが店で食事している写真をSNSに投稿することが一番の認証」と諭された。

 現在、祭では具材を海鮮に限定したたこ焼きなど「粉もん」を中心に提供。認証を取得しない代わりにムスリムの従業員を雇ったり、来店状況をSNSで公開したりするなど、安心して食べてもらえるよう工夫している。

 また、佐野さんは店のノウハウを伝えるべく、月に1~2回、ハラルなどに関するセミナーを関西圏を中心に開いている。佐野さんは「ムスリムが過ごしやすい環境を広げるため、一軒でも多くハラル対応の店が増えれば」と話した。

ムスリムへの理解進むか

 イスラム教になじみが薄い日本で、ムスリムに正しい「おもてなし」をするために必要なことは何か。NPO法人「日本ハラール協会」によると、飲食店だけでは情報発信が弱く、観光客への十分な周知にはつながっていないという。

 「東京五輪が2年後に迫っているが、日本はまだまだムスリムにとっては過ごしにくい国だ」。協会のレモン史(ひと)視(み)理事長はこう指摘する。

 協会では、全国の自治体から要望を受けハラルに関する勉強会を開いているほか、礼拝室があるホテルや飲食店などを紹介するガイドマップを作成している。また、ハラルに対応している飲食店の裾野を広げるため、食材や店舗の内装など9項目を記した「ガイドライン」をホームページで公開している。

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