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【浪速風】新幹線台車亀裂でひび割れた製造業の誇り…現場人間だった本田宗一郎に学べ、「120%の良品」作りを(3月2日)

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【浪速風】
新幹線台車亀裂でひび割れた製造業の誇り…現場人間だった本田宗一郎に学べ、「120%の良品」作りを(3月2日)

新幹線の台車に亀裂が見つかった問題を受け、記者会見で頭を下げる川崎重工業の金花芳則社長(中央)ら=2月28日、神戸市(永田直也撮影) 新幹線の台車に亀裂が見つかった問題を受け、記者会見で頭を下げる川崎重工業の金花芳則社長(中央)ら=2月28日、神戸市(永田直也撮影)

 ホンダの創業者、本田宗一郎さんは社長を退くと、全国の工場、営業所を回った。ある工場で握手しようとしたら、あわてて手を引っ込めた社員がいた。「どうした?」「油で汚れているので」。真っ黒な手を握って、「いいんだよ。働いている手じゃないか。俺はこういう手が一番好きだ」

 ▼本田さんは皇居での勲一等瑞宝章の親授式に、「技術者の正装だから」と真っ白なツナギ(作業着)で出席しようとしたほどの現場人間だった。川崎重工業の経営陣は、現場にどれだけ目配りしていたのか。JR西日本の新幹線「のぞみ」で見つかった台車の亀裂は、製造過程で台車枠の鋼材を削りすぎたためだった。

 ▼破断寸前だった。作業規定が守られておらず、納品前に強度を検査するシステムもなかった。本田さんは100%ではなく「120%の良品を目指す」と言った。たとえ1台でも不良品があれば、買った客の信頼を失う。それが日本の製造業の強さと誇りだった。

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