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【関西の議論】終末期は積極治療よりも緩和ケアに…相次ぐ医学会の方針「過剰な治療は苦しみを長引かせる」

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【関西の議論】
終末期は積極治療よりも緩和ケアに…相次ぐ医学会の方針「過剰な治療は苦しみを長引かせる」

成人肺炎診療ガイドライン2017 成人肺炎診療ガイドライン2017

 千田医師が推めるのは、家族や医療関係者、福祉関係者を交えて話し合う英国発の「アドバンス・ケア・プランニング」だ。患者は「痛みや苦しみをなくすこと最優先か、延命至上主義か」といった意向を示すとともに、意思決定ができなくなった場合に判断を託す「医療代理人」を指名する。医師は患者の病状や予後についてきちんと説明し、医療代理人は、本人が選んだ結論だけでなく、そう考えるに至ったプロセスも共有する。こうした話し合いを、状況の変化などに応じて何度も行う。

 同センターでは26~27年、アドバンス・ケア・プランニングを担う相談員を育成し、現在は一部地域で試験的に実施している。千田医師は「延命治療を望まなかった患者に対し、回復の見込みがあるのに必要な治療を控えてしまうことのないよう注意が必要。英国のように『食べられなくなったら人生は終わり』と考える国と日本人の感覚は違うため、わが国独自の工夫を加えていく必要がある」としている。

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 過剰な延命治療を控えようとする動きの先駆けとなったのは、厚生労働省が19年に出し、年度内の改定を予定している「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」だ。当時、終末期の患者の人工呼吸器を取り外すなどした医師が刑事責任を問われる事件が相次いでいた。ガイドラインでは、「患者本人による決定を基本として医療を進める」ことを原則とし、専門チームによって医療内容の変更や中止を慎重に判断、可能な限りの緩和ケアを行う必要性を指摘した。

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