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【脳を知る】認知症の“医学的”理解 不思議な症状にも理由がある

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【脳を知る】
認知症の“医学的”理解 不思議な症状にも理由がある

脳に障害があると感覚と運動がかみ合わず、今までできていたことがうまくできなることも 脳に障害があると感覚と運動がかみ合わず、今までできていたことがうまくできなることも

 脳はまだまだ未知の部分が多い不思議な臓器ですが、脳の疾患で出現する症状に関しては神経学という領域の学問でおおむね説明できます。高齢化に伴い増加するといわれている認知症の症状に関しても、大脳の「局在論」によって、ここで解説することが可能です。

 われわれの大脳は数百億個の神経細胞でできており、その一つ一つが別の神経細胞と無数のつながりをしています。脳を地球、神経細胞をコンピューターに例えると、現在地球上にあるコンピューターがそれぞれインターネットでつながっているようなイメージです。そしてその神経細胞の働きは脳の領域ごとに役割が決まっており、これを「局在論」といいます。

 大脳は前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉と大きく4つの領域に分けられます。前頭葉は脳の一番前にある広い領域で、思考、性格、人格、知性、社会性、意欲、創造性など、まさに人間としてあるべき高次な脳の働きを担っており、他の哺乳類に比べても人間が際立って大きいのが前頭葉です。そして左側の大脳の前頭葉には言語の中枢もあります。

 頭頂葉は前頭葉の後ろでちょうど脳のてっぺん付近にある領域で、さまざまな感覚の認知や、感覚と運動の調節などを行います。側頭葉は感情、本能や記憶などのあまり高次ではない機能を担います。「記憶が高次ではないとは?」と思われるかもしれませんが、下等な動物でも記憶の機能は備わっています。そうでなければ、例えばネズミでも巣に戻れずに死んでしまいます。後頭葉は視覚の機能を担っている場所です。

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