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【この本おもろっ】『漫画 君たちはどう生きるか』170万部の大ヒット、先行き不透明な時代の心をとらえる

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【この本おもろっ】
『漫画 君たちはどう生きるか』170万部の大ヒット、先行き不透明な時代の心をとらえる

『漫画 君たちはどう生きるか』 『漫画 君たちはどう生きるか』

 編集部には、「4冊購入して学級文庫に置いた」という中学校教師や、「20代の娘が失業してどん底にいるので読んでほしい」と願う親など、読者からの感想が続々と寄せられている。

 ■響く直球の言葉

 「バブル時代に出しても、たぶん売れなかったと思います」

 漫画化を企画したマガジンハウス編集者の鉄尾周一さん(58)は、当時を振り返る。「どう生きるかよりも、どこのレストランを予約しよう、そんな時代でしたから」

 バブル経済崩壊から二十数年を経た現在。景気上昇の生活実感が感じられない日本経済。少子高齢化に地方の過疎化、不安定な朝鮮半島情勢…。「みんなどこか不安で、先行き不透明な時代だからこそ、こうした直球の言葉と内容が響くのでは」と分析する。

 そもそも昭和12年に、児童文学者の吉野源三郎(1899~1981年)が原作を刊行した当時の日本は、軍国主義を強めていった時代だった。そんな中、ヒューマニズムに根差し、自らの考えで行動する生き方を問う本として、当時の若者に支持されたという。

 鉄尾さん自身は20歳の頃、既に名著としての地位を獲得していた岩波文庫の『君たちは-』を父親に薦められて読んだという。「あまりにもまともすぎるというか、若気の至りで反発するところも正直あった」と明かす。

 ■寄り添える登場人物

 そんな鉄尾さんが漫画化を意識したのは、今から5年ほど前のこと。30代の編集部員2人が同書を愛読していると聞き、「素晴らしい本というのは、脈々と受け継がれていくもの。形を変えたら、もっと若い人に読んでもらえるのでは」と思い立ったという。

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