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【平昌五輪・祭典のまちから】刀風「カルパラム」 劣悪、過酷な強風もたらすドラマ

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【平昌五輪・祭典のまちから】
刀風「カルパラム」 劣悪、過酷な強風もたらすドラマ

表彰式で観客に手を振る高梨沙羅=12日、アルペンシア・ジャンプセンター(松永渉平撮影) 表彰式で観客に手を振る高梨沙羅=12日、アルペンシア・ジャンプセンター(松永渉平撮影)

 現地では「カルパラム」(刀風)と呼ぶそうだ。身を切るような冷たい韓国の風が、序盤の平昌五輪を語る上で一つのキーワードになっている。

 10日夜のジャンプ男子個人ノーマルヒルでは、秒速5メートルを超える強風により競技がたびたび中断。出番を待つ選手たちが寒さにふるえる場面がよく見られた。

 11日には強風でアルペンスキー・男子滑降が延期されたほか、スノーボード・女子スロープスタイルでは風の影響で予選が中止になり、全員が決勝に進出。12日に決勝が行われたが、ここでも転倒者が続出する「異常事態」となった。

 ジャンプ競技の開催は夜間の遅い時間帯。ジャンプ人気の高い欧州の視聴者に配慮したためといわれているが、選手たちの4年に1度の晴れ舞台が風にもてあそばれ、本来のパフォーマンスを発揮するのに四苦八苦する状況はいかがなものか。

 観戦者にとっても過酷な環境だ。12日夜にあったジャンプ女子の取材に訪れたが、会場は平昌の山間部にあり、夜間の気温はマイナス10度を下回る。競技が始まる前から、低体温症とみられる観戦者がぐったりとした様子で抱えられて救護される光景を目にし、不安が募った。

 途中からは雪も舞い始め、肌が露出した顔に文字通り刃物で切られるような痛みを覚えるほどだったが、日付が変わろうとするころ、4年前の悔しさを晴らす大ジャンプを披露した高梨沙羅(21)が見事に銅メダルを獲得。このときばかりは、風も冷気も一瞬だけ吹き飛んだ。(原川真太郎)

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