産経WEST

【脳を知る】高齢者は要注意、低体温症…体の中と外を温かくして予防を

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【脳を知る】
高齢者は要注意、低体温症…体の中と外を温かくして予防を

低体温症の予防は温かくして過ごすこと 低体温症の予防は温かくして過ごすこと

 冬まっただ中です。救急外来には、夏は熱中症の患者が救急受診されますが、それに負けず劣らず、冬は意識のないお年寄りの低体温症の患者が多数搬送されてきます。低体温症とは、生命の危険にさらされるほど体温が低い状態をいいます。

 体温が35度以下に低下した場合に低体温症と診断します。低体温症になると、はじめは体が激しく震えます。さらに体温が低下すると、震えが止まり、意識が薄れ、やがて意識を失い昏睡状態に陥ります。さらに病状が進むと心拍や呼吸が弱くなり、最終的には心臓が停止します。体温が31度を下回ると死亡する可能性がありますが、大半の死亡例は体温が28度を下回った場合です。

 冷たい屋外で横たわる、水に浸かる、風にあたるなどの寒い環境に身をさらす、また病気や外傷、泥酔などで動けなくなる、さらにはこれらの条件が重なった場合、体温は異常に下がります。特に高齢者は、体を温かく保って寒さに適応する力が弱く、低体温症に陥りやすいです。高齢者は、屋内にいても寒い部屋で何時間もじっとしていると、低体温症になることがあります。

 低体温症の初期であれば、暖かい場所で毛布にくるみ、熱い飲みものを飲ませることで回復しますが、低体温症が進行して意識のない状態で発見された場合は、救急車を手配すべきです。病院に到着すると、体の表面を温めるだけでなく、温かい点滴などを与えて、体温を上げる努力をします。低体温症のために心肺停止状態で病院に搬送された人でも、後遺症なく回復した事例があるため、私たち医療従事者は患者さんの体が温まり、それでも心拍の再開が見られないと判断するまでは、蘇生のための医療行為を続けます。

続きを読む

「産経WEST」のランキング