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【関西の議論】建設ラッシュで沸く京都、その影で遺跡調査員の人手不足が深刻…開始まで4カ月待ちの異常事態 

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【関西の議論】
建設ラッシュで沸く京都、その影で遺跡調査員の人手不足が深刻…開始まで4カ月待ちの異常事態 

無数の穴が出土する平安京左京域の調査現場。遺構の解釈や図面化はベテラン調査員でも難しい 無数の穴が出土する平安京左京域の調査現場。遺構の解釈や図面化はベテラン調査員でも難しい

 なぜ若手が少ないのか。夏休みなどを利用して調査体験を希望する考古学専攻の大学生を毎年募っている京都府教育委員会文化財保護課の石崎善久副課長は、大学の授業で発掘の体験を積むことが少なくなってきたことや、平成12年に東北地方で起きた旧石器捏造(ねつぞう)事件が、考古学に対し若者を幻滅させたことを要因に挙げる。

 京都以外も事情は同じだ。全国の各市町村は昭和50年後半ごろから発掘調査の必要性に迫られて調査員を採用していったが、その後に補充をしなかった自治体が多いという。「1人で十分」というのが理由だが、約30年経た現在、どの自治体の調査員も退職期にさしかかり、後継者問題に直面しているようだ。

動き出した育成策

 このため、京都市埋蔵文化財研究所は一つの現場でベテランと若手を組ませ、若手に技術を伝えることで、難しい左京域も調査できる技術の継承を図っている。京都市も近年、文化財保護課に若い調査員を積極的に採用。所属する9人のうち30代が3人、20代が4人とフレッシュな年齢構成になりつつある。

 授業の中に発掘調査を入れる大学関係者もいる。かつて京都府向日市の研究機関で長く長岡京跡などの調査を担当し、現場を熟知する龍谷大学の國下多美樹教授もその1人だ。

 國下教授は「現場のニーズは承知している。楽しく現場を学び、興味を持ってもらい、1人でも多くの学生に将来の考古学を担ってもらいたい」と話す。

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