産経WEST

名刀生み出す良質な玉鋼を 昔ながらの鉄作り「日刀保たたら」今冬の操業始まる 

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


名刀生み出す良質な玉鋼を 昔ながらの鉄作り「日刀保たたら」今冬の操業始まる 

 島根県奥出雲町の「日刀保たたら」高殿で昔ながらの鉄作りが始まった24日、高殿のある日立金属安来製作所・鳥上木炭銑工場の一帯はすっぽりと雪に包まれた。高殿内で「火入れ式」が厳かに営まれ、木炭や砂鉄が炉に投入されると、高殿の天井を突くかのように炎が燃えさかった。

 松江地方気象台によると、同町横田の積雪は午前9時現在で20センチ。日中の気温は氷点下6~7度台で、厳寒期の風物詩にふさわしい光景の中での火入れ式となった。

 日本刀の原料となる「玉鋼(たまはがね)」を確保する必要性と古来の技術継承を目的に、たたらを復活させ、日刀保たたらの運営に当たる日本美術刀剣保存協会。酒井忠久会長は「刀剣文化の発展のためには、地元のみなさんの協力が必要」と謝意を伝えた。地元・奥出雲町の勝田康則町長は「たたらの炎は日本のものづくりの象徴であり、原点。地元の財産としてのすばらしさを改めて感じる」と述べた。

 高殿の屋根に設けられた「ホウチ」と呼ばれる煙出し部分からは、時折雪が強く吹き込む。非常に厳しい自然環境下での操業だが、「炉の周辺は、温度が外気より20度以上高くなる。操業を続ける職人たちにはちょうどいいくらい」と日刀保。操業を指揮する最高責任者「村下(むらげ)」の木原明さん(82)は「刀匠の方たちが名刀を作れるよう、今年も純度の高い良質な玉鋼を作りたい」と語気を強めた。

 これから3昼夜にわたって砂鉄と木炭を投入し、鉄の塊を取り出す作業が、計3回繰り返される。

「産経WEST」のランキング