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【理研が語る】「百聞は一見に如かず」研究のヒントは観察にあり、新型顕微鏡の開発目指す

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【理研が語る】
「百聞は一見に如かず」研究のヒントは観察にあり、新型顕微鏡の開発目指す

24時間培養したマウス胚。表面組織の細胞に、解析のために個別のID番号を割り振った丸印(黒い部分)をつけている 24時間培養したマウス胚。表面組織の細胞に、解析のために個別のID番号を割り振った丸印(黒い部分)をつけている

 学生時代とは違い、休日は極力実験しないように努めている。自分の研究を俯瞰(ふかん)するには気分転換するのも大事だ。スポーツをしていた経験からも、集中とリラックスは表裏一体に違いないと思う。そこで休日は、近所の川辺を散歩することが多い。歩いていると、いろんな生きものが目に飛び込んでくる。まさに多種多様だ。水中を目にもとまらぬ早さで泳ぐハヤもいれば、そのハヤを狙っている置物のように動かないサギもいる。観ていてどちらも面白い。動くのは動くなりの、動かないのは動かないなりの理由があるはずだ。

 動物の発生が専門である。受精卵が細胞分裂をして細胞の数を増やし、体の形ができ上がっていく様はまさに摩訶(まか)不思議である。形づくりに参加する細胞には、動く細胞もあれば動かない細胞もある。それぞれがどのタイミングでどこに現れるのか知るためには、胚(はい)を生きたままの状態で観察するのが最も手っ取り早い。だが、それが最も難しい。特に哺乳類の場合、体の外に出した胚や組織は簡単には育たないからだ。観察に使う顕微鏡にも工夫が必要だ。

 顕微鏡が発明されてから500年近く経つが、その間に進歩した技術でも観察できないものは多い。だからさらに改良する。今取り組んでいるのは、丸ごとの胚や組織を培養しながら観察できる顕微鏡の実現。顕微鏡を開発する研究者と一緒に、世界で誰も作ったことのない新型への挑戦だ。異分野の研究者との共同作業はいつも新鮮な体験を与えてくれる。それが楽しくてたまらない。

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