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【通崎好みつれづれ】ボタンに魅せられて

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【通崎好みつれづれ】
ボタンに魅せられて

戸矢崎満雄さんの作品「たまたま水玉」(成田弘さん撮影) 戸矢崎満雄さんの作品「たまたま水玉」(成田弘さん撮影)

 先日、東京・日本橋浜町の「ボタンの博物館」(予約制、(電)03・3864・6537)へ出かけた。ここでは、古代ローマ時代に作られたボタンの起源、青銅製「フィビラ」をはじめ、多種多様な素材による世界各地のボタンが時代を追って展示されている。

 洋服を留めるという用途を超え、アクセサリー、あるいは身分やステイタスを表現する道具としてのボタンは精巧な作りのものが多く、どれも一級の工芸品である。18世紀イタリアの熟練職人が作り上げた、小さな色ガラス片500個を並べたミクロモザイクボタンや、象牙の薄い板に風景が描かれた繊細なイギリスのピクチャーボタン、フランス貴族の洋服と対(つい)になった刺繍(ししゅう)ボタンなど、眺めているだけでため息が出る。

 西洋には長いボタンの歴史がある。ボタンは洋服とともにあるもの。当たり前だが、日本人が着物を着ていた時代、日本人にボタンは必要なかった。そう考えると面白い。

 博物館では2月末まで、薩摩ボタンの企画展を開催中。薩摩ボタンとは、薩摩焼の技法を駆使し絢爛(けんらん)な配色で緻密な画を描いたボタン。まさに小さな宇宙という言葉がぴったりである。1867年の第2回パリ万博への出品がきっかけで輸出されるようになり、特に海外で人気を博した。幕末には、薩摩藩が直営の窯で薩摩ボタンを作って輸出し、討幕運動の軍資金にしたという逸話もある。

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