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【関西の議論】失敗したら死…延暦寺の荒行「千日回峰行」、一日体験で“悟った”こと

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【関西の議論】
失敗したら死…延暦寺の荒行「千日回峰行」、一日体験で“悟った”こと

比叡山の山中で急な坂道を登る一日回峰行の参加者ら=平成29年11月、大津市 比叡山の山中で急な坂道を登る一日回峰行の参加者ら=平成29年11月、大津市

頭をよぎるリタイア

 山道を下り続け、約3時間後の午前5時半ごろ、坂本の日吉大社へ。般若心経を唱えた。空もうっすらと明るみ始め、暗闇の山道を抜け出したためか、心なしか気が軽い。そのまま比叡山坂本の律院に到着すると、千日回峰行の満行者で、釜堀さんの師匠でもある叡南俊照・大阿闍梨(だいあじゃり)が迎えてくれた。

 「千日というと縁のない数字のようだが、一日を積み重ねて千日となる。皆さんが歩いた道は普通の人が歩いた道ではない」とのお言葉をいただく。

 残りの行程は登り坂。「登り道ほどかつて修行した先達(せんだつ)のお力を、足の裏からいただけるはずだ」と励ましをもらった。

 朝食のおにぎりと温かいお茶で体を回復。朝日を背にいよいよ登り道に入るも、本当の苦しみはここからだった。

 あたりはすっかり明るくなり、気温も上がってきたが、登り道は想像以上に厳しかった。急な斜面に引き続きの悪路。情けないことに出発して30分後には先頭集団から引き離され、何度も肩で息をして動けない状態に。リタイアが何度も頭をよぎった。

 自分の足下を見つめ、必死で一歩一歩足を前に進めることしか考えられず、祈る余裕はなくなる。

 1時間半ほど登り続けて着いたのが無動寺明王堂。千日回峰行の中で最も厳しい「堂入り」をする場所だ。お経を唱える。眼下に広がる琵琶湖と大津市の街並みに一息つく。修行も終盤だ。

 山道は抜けたものの、そこからも坂道は続く。午前9時ごろ、スタート地点の居士林にたどりついた。ここで解散。約7時間に及ぶ行程が終了した。

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