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【阪神大震災23年 歩いた先に(5)】新たな目標「地域の人と協力 神戸の街全体を守る」 7歳で被災した消防士

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【阪神大震災23年 歩いた先に(5)】
新たな目標「地域の人と協力 神戸の街全体を守る」 7歳で被災した消防士

新たな目標について語る尾曲伸乃祐さん=神戸市(奥清博撮影) 新たな目標について語る尾曲伸乃祐さん=神戸市(奥清博撮影)

 直後に親族の車で避難した。夕方戻ってみると、老夫婦宅は全焼して黒焦げに。夫婦は帰らぬ人となっていた。「学校に行くとき、いつも笑顔で『行ってらっしゃい』と声を掛けてくれる優しい夫婦だった」だけに、7歳ながらも大きなショックを受けた。と同時に「現場にいても僕は何もできなかった。次は僕がこの街を守る」と決心していた。将来の夢を消防士に定めた瞬間だった。

 平成24年に神戸市消防局に採用された。消防学校で半年を過ごした後、配属されたのが須磨消防署。管内には自宅があるだけでなく、あの老夫婦宅の跡地も駐車場となって残る。「何もできなかった当時の悔しさを忘れず、懸命に働いた」と話す。

 しかし、消防士を続ける中、ある思いが芽生え始めた。「阪神大震災や東日本大震災のような大災害が起きれば、自分一人で全員を助けることはできない」。消防だけでできることにも限界がある。考えた末の答えが「市民との協力」だった。

 28年に市消防局の地域防災支援係に異動。以来、地域ごとに防災訓練だけでなく、要援護者の見守りといった福祉活動も行う神戸市の自主防災組織「防災福祉コミュニティ」に助言や支援を行う業務を担う。

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