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【午後のつぶやき 大崎善生】幸運な4度目の「まさか」

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【午後のつぶやき 大崎善生】
幸運な4度目の「まさか」

 私は将棋連盟に潜り込み、その後編集部に配置された。それが運のよいことに57年秋で羽生さんが奨励会に入会した年である。それから七冠全冠に向けて空前の羽生ブームが起こり、将棋雑誌は毎年右肩上がり。羽生善治という1人の青年が、将棋界のイメージをがらりと変えてしまった。将棋の白星だけを武器に、音のしない革命を見るようだった。私はどういう運命か羽生さんの別冊雑誌を3冊、編集長として担当した。

 七冠達成時、殺到する取材攻勢を差し置いて、羽生さんは真っ先に将棋世界のインタビューに応じてくれた。それも2時間も。そのインタビューを私が担当した。そしてこの度、同誌がもうさすがにないと思っていた4冊目の羽生さんの別冊を作ることになり、そのインタビュアーにどういうわけか私が指名されたのだ。羽生さんの七冠は25歳、そして永世七冠は47歳だから、22年ぶりということになる。しかし永世七冠で国民栄誉賞で、4冊目ができるとは、想像すらできなかった。出口は大きく違うけれど、入り口は一緒。いつもその縁と大きな幸運を思う。羽生さんはいつも私の想像の先を飛んでいる。(作家)

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