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【瀬戸内家族】初詣 いにしえの人々に思いはせ 写真家・小池英文

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【瀬戸内家族】
初詣 いにしえの人々に思いはせ 写真家・小池英文

家族で初詣を終えて 家族で初詣を終えて

 今年もお正月は瀬戸内の妻の実家で過ごした。

 人と車が減った東京のお正月もひっそりとして好きだけれど、親戚(しんせき)一同が集う島の新年も賑(にぎ)やかでまたいいものだ。写真は家族で初詣を終えての一枚になる。

 さて、新年というのは神仏に手を合わせる機会が実に多くなるものだ。

 お宮への初詣をはじめ、ご先祖が眠る菩提(ぼだい)寺の仏さま、家の祭壇にやって来る年神さま、さらには初日の出や七福神にも手を合わせることが少なくない。

 日本人は無宗教だとよくいわれるけれど、どうしてどうして、八百万(やおよろず)の神を崇(あが)めるDNAは今も健在ではと思ってしまう。

 そこで最近改めて感じるのが、古(いにしえ)の人々の懐の広さだろう。

 なにしろ渡来の神も土着の神も、目に見えるものも見えないものも、両手を合わせて受け入れることですべて自分たちの文化に取り込んでしまったのである。なんとしなやかな世界との関わり方だろうか。

 こうして彼らが教えるように、己を虚(むな)しくすることで成就する世界がきっとあるのだろう。

 そして、勇ましい言葉が飛び交う昨今だからこそ、今年は先達のそんな姿に心を通わせて暮らしてゆきたい。それがぼくら家族の一年の抱負だ。

 こいけ・ひでふみ 写真家。東京生まれ。米国の高校卒業後、インドや瀬戸内などの作品を発表。今年1月、写真集「瀬戸内家族」(冬青社)を出版。ウエブサイトはhttp://www.koike.asia/

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