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【阪神大震災23年 歩いた先に(4)】支援に奔走した父の背中追い…「今度は自分たちが助ける番」兵庫県警巡査の決意

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【阪神大震災23年 歩いた先に(4)】
支援に奔走した父の背中追い…「今度は自分たちが助ける番」兵庫県警巡査の決意

「今度は兵庫が震災の時に助けてもらった恩を返す番」と力をこめる岩田龍之介巡査 「今度は兵庫が震災の時に助けてもらった恩を返す番」と力をこめる岩田龍之介巡査

 兵庫県警宍粟(しそう)署の岩田龍之介巡査(22)は、警察官として阪神大震災の被災地支援のために尽力した父、克之さん(49)の背中を見て同じ警察官の道を志した。震災の2日前に生まれ、当時の記憶はない。それでも「震災のときに助けてもらった。今度は自分たちが助ける番だ」と力を込める。(土屋宏剛)

 平成7年1月15日朝、兵庫県淡路島で生まれ、2日後に阪神大震災が起きた。病院に駆けつけていた克之さんは、生まれたばかりの岩田さんの頭を優しくなでると、「しばらく戻れないと思う」と言い残し被災地へ向かった。

 幼少期から父の姿を見て育ち、警察官に憧れてきた。ただ、毎年誕生日が近づくと、テレビや新聞などで阪神大震災について連日報道される。震災のイメージは「誕生日も素直に祝えず、つらい思い出ばかりだった」と振り返る。

 転機になったのは高校2年のとき。進路希望調査に「警察官」と記入して提出した直後の23年3月11日、東日本大震災が起きた。岩田さんは学校から帰宅後、居間のテレビで見た津波の映像に衝撃を受けた。濁流にのまれて消える人や建物…。後には何も残っていない更地が広がっていた。

 「地震が起きたらこんなにめちゃくちゃになるのか」

 ふと、「阪神大震災の被災地でおやじはどんな活動をしていたのか」と疑問が浮かび、その日深夜に帰宅した克之さんに当時の話を初めて尋ねた。息子の真剣な表情に克之さんは、多くの遺体を遺族へ返そうと連日検視に明け暮れた体験を丁寧に話してくれた。

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