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奈良・興福寺中金堂、10月に落慶 多川俊映貫首「今の世に天平の時代精神を」

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奈良・興福寺中金堂、10月に落慶 多川俊映貫首「今の世に天平の時代精神を」

今年10月に落慶する中金堂。東大寺大仏殿に次ぐ木造建築となる=奈良市の興福寺 今年10月に落慶する中金堂。東大寺大仏殿に次ぐ木造建築となる=奈良市の興福寺

 --堂内にはどのような仏像が安置されますか

 「本尊は仮金堂に安置していた江戸時代の釈迦如来坐像。いい造りの仏像で、金箔を貼り直して化粧直しもした。それに薬王・薬上菩薩立像(重文)、吉祥天倚(きっしょうてんい)像(重文)、大黒天立像(重文)、四天王立像(国宝)。日本画家、畠中光享(こうきょう)さんが法相(ほっそう)宗の祖師を描いた柱絵も礼拝対象です」

 --落慶を通じて何を発信したいですか

 「天平の時代精神。言葉で表すと、「端正」「典雅」「剛勁(ごうけい)」かと思う。「剛勁」はしなやかで強いといった意味。当時の阿修羅(あしゅら)像(国宝)や正倉院の天平写経、それに五重塔(国宝)を見ているとそう思う。今の日本はそうした時代精神に近づいた方がいい気がします」

 --中金堂以外にも再建を計画されていますか

 「伽藍(がらん)復興は、中金堂の落慶以降が本格的になるとも言える。藤原不比等(ふひと)が本願の寺なので、次はできれば(不比等の1周忌に建てられた)北円堂(国宝)の回廊や南門を再建したい。中金堂の次の夢で、五重塔の調査・修理をみながらになりますが」

 --今年は、春日大社本殿も創建1250年を迎えます。藤原氏ゆかりの春日社、興福寺は一体に歩み、神仏習合の歴史があります

 「もう一度、神仏習合の良さを見直していただきたい。その良さとは、多様性の尊重ということに尽きる。春日大社とともに、こうした神仏習合を見直すきっかけをつくれればと思います」

 ■興福寺中金堂 3つの金堂があったうちの中心。奈良時代に建てられて以降、平氏の焼き討ちや火災で7回焼失。その度に再建されたが、江戸時代の焼失後は建てられず、仮の建物のままだった。中金堂の落慶法要は10月7~11日に営まれ、同20日から一般拝観が始まる。

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