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【阪神大震災23年】遺体安置所、「一滴の涙も出なかった」両親との対面 実感わかなかったあの日の思いを書に 書家・野原さんが個展

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【阪神大震災23年】
遺体安置所、「一滴の涙も出なかった」両親との対面 実感わかなかったあの日の思いを書に 書家・野原さんが個展

震災当時の経験を振り返る野原神川さん=兵庫県西宮市のギャラリーわびすけ 震災当時の経験を振り返る野原神川さん=兵庫県西宮市のギャラリーわびすけ

 すぐに職場に復帰し、実家の跡地で新居を再建するなど生活に追われた。両親の死に初めて涙を流したのは1年後の1月17日。「生きるのに必死で、震災はいつか覚める夢のようだった。1年後にやっと両親の死を受け入れることができた」と振り返る。

 平成15年、立ち寄った書道用品店で思わず半紙を購入し、趣味だった書道への思いがよみがえった。間もなく放送局を退職し、自宅にアトリエを開いた。筆を手にすると、震災への思いが短歌の形であふれ出てきた。

 《無事であれ/ただそれのみを/祈りつつ/余震に脅え/急ぐ実家へ》

 《風邪うつすから/寄らぬよう/亡き父の/前夜の電話/生死を分かつ》

 震災で感じた苦しみや憤り、そして両親への思いを率直に表現した。17年以降は毎年のように1月17日前後に個展を開くようになった。今年も震災から丸23年となる17日まで個展「忘れないで 書で震災を語る」を開いている。

 野原さんは「震災で犠牲になった人たちに思いをはせながら、書にすることが鎮魂につながると信じている。震災を知らない若い世代にも作品を通じ、震災で何があったのか知ってほしい」と話している。

 個展の問い合わせは、ギャラリーわびすけ((電)0798・63・6646)。

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