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【正木利和の審美眼を磨く】クロケットにチャーチ…ちょっと背伸びして英国名靴を

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【正木利和の審美眼を磨く】
クロケットにチャーチ…ちょっと背伸びして英国名靴を

クロケット&ジョーンズの「オードリー3」 クロケット&ジョーンズの「オードリー3」

 新品の靴をおろす日は、気分がいい。

 小さな頃、新しい運動靴で学校に行くときは、一日、ウキウキした。最初のうちは、靴箱にも丁寧に入れたものだ。

 ところが、しばらくして汚れてくれば、ぞんざいに扱うようになってゆく。

 こうして、靴は消耗品である、という意識は、小学生のころから植え付けられていった。

 おとなになっても、それは消えることなく、「どうせはきつぶすのだから」と靴の量販店でちょっと見栄えのいい革靴を買って帰り、オンの日もオフの日も関係なしにぼろぼろになるまではき倒した。

 同じカネを払うなら、足を包む靴よりも、全身を包む服の方にかけたほうがよい、という考えも、どこかにあったように思う。

 ところが、後年、服飾評論家の故落合正勝氏の本を読んでいると、こうした一文に出くわした。

 《私は、靴こそお洒落(しゃれ)の要(かなめ)だと思っている》

 そういえば、喫茶店を経営していた母もよく言っていたっけ。

 「よい靴をはきなさい。商売人は足元を見るものよ」

 「足元を見る」の語源は、かごかきたちが旅人の足元をみて疲れを見抜き、それによって値段を要求したことから、相手の弱みにつけこむことだ。つまり、母も誤用したのではないかとは思うのだが、しかし、たしかに国内外のちゃんとしたホテルに行くと、「靴を見られているな」と思うときがある。

 そんなときだって、ちゃんとした靴をはいていれば堂々としていられる。それで、近ごろようやく、ある程度確かな評価をされている革靴を買うようになった。

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 といっても、サラリーマンにとって最も大事なのはコストパフォーマンス。結局、はき心地がよく、見た目もコスパもすぐれた革靴を探して行き着いたのが、インドネシアのジャラン・スリウァヤだ。

 冠婚葬祭にもはける黒のストレートチップやビジネス向けの茶のパンチドキャップトゥー、フルブローグなどを買ったが、なるほど、どれも手入れをするのが楽しくなるほど革の質がいい。

 それもそのはず、ブランドは2003年のスタートだが、もとは1919年から外国人向けのブーツを作っていた工場がベース。その経営者の息子が英国ノーサンプトンで靴造りを学んできて開いたのだそうで、前述のような本格的英国スタイルの靴を、良心的な価格で手に入れることができる。

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