産経WEST

移動スーパーで官民連携、過疎地の高齢者を支援

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


移動スーパーで官民連携、過疎地の高齢者を支援

生鮮食品などを車で販売する「移動スーパー」で買い物をする住民=平成29年12月、奈良県川上村 生鮮食品などを車で販売する「移動スーパー」で買い物をする住民=平成29年12月、奈良県川上村

 過疎化が進む山間部で買い物に不自由する地元の「買い物弱者」の生活を支援しようと、奈良県川上村が民間企業と連携し、生鮮食品などを車で販売する「移動スーパー」を運行、村内全集落を周回する取り組みを進めている。出向く機会に高齢者を見守ることにも一役買っている。

 農林水産省によると、移動スーパーの導入は全国的に広がり、民間企業や生活協同組合が主導しているケースが多いが、行政が民間と協力して運用するのは珍しい。

 川上村は人口約1300人。65歳以上の高齢者は全体の約60%を占める。移動車の購入などには地方創生関連の交付金を活用し、栗山忠昭村長は「村内でお金を循環させ、村民が支え合ってずっと住み続けられる村にしたい」と期待する。

 ▽宅配代行

 昨年12月上旬、川上村の公民館に地元の民謡を流しながら販売車が近づくと、集落の住民が次々と集まってきた。井村蓉子さん(84)は「品ぞろえが良く、見て買えて週1回来る移動スーパーが楽しみ」と笑顔を見せる。運転手らが高齢者らに声を掛け、安否や体調などを記録、村役場とも共有する。

 移動スーパーを運用するのは、村などでつくる一般社団法人「かわかみらいふ」だ。2016年7月に設立され、生協の日用品の宅配も代行しているほか、交流カフェ、ガソリンスタンドなども運営する。竹内満春事務局長(41)は「高齢者が暮らしやすく、村民の交流があるまちづくりが急務だ」と意気込む。

 ▽雇用創出

 商品は連携先の食品スーパー吉野ストア(奈良県大淀町)から運び、店頭と同じ価格で販売、売れ残りは返却する。吉野ストアにとっては輸送費や人件費がかからず、コスト削減のメリットもある。

 村内では移動車運用の手数料が入ることなどで、雇用が創出され、村外から若者ら21世帯53人が移住してくることにも影響した。

 大阪府東大阪市出身で、見守り活動を担う本めぐみさん(25)は「人に必要とされることがこんなにうれしいなんて」と話している。

「産経WEST」のランキング