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【衝撃事件の核心】長距離バスが高速道路逆走、勤続20年超のベテラン運転手がなぜ?

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【衝撃事件の核心】
長距離バスが高速道路逆走、勤続20年超のベテラン運転手がなぜ?

逆走した高速バスの運転手が勤務する全但バスの本社=兵庫県養父市八鹿町 逆走した高速バスの運転手が勤務する全但バスの本社=兵庫県養父市八鹿町

 捜査関係者は「何よりも“時間厳守”を優先させるという日本人らしいきまじめさが、逆に運転手の判断を誤らせたのではないか」と指摘する。

 また、交通産業の安全運行システムや事故調査の仕組みなどに詳しい関西大の安部誠治教授は「会社から受ける罰則を恐れ、ミスを隠蔽したいと考えたのではないか」と推測する。

ペナルティーの恐怖

 平成17年4月に発生し、乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故では、ダイヤの遅れを取り戻そうとした運転士が速度を超過した状態で電車を走行。カーブを曲がりきれず脱線し大惨事へとつながった。運転士は事故直前に停車した駅で、規定位置を通り過ぎるオーバーランをしてしまい、ミスを軽減して報告するよう車掌に求めていた。

 運転士がオーバーランをした場合、JR西日本では、運転業務を外れて「日勤教育」と呼ばれる懲罰的な研修を命じられる恐れがあった。このため、運転士はミスを取り戻そうとしてスピードを出しすぎたと指摘されている。

 男性運転手が勤務する全但バスでも、同社の運転手が事故や違反などのミスを起こした場合、ペナルティーが科せられることになっている。一時的に下車勤務を命じられたり、高速バス路線から一般道の路線に乗務変更となる可能性があった。あるバス会社の元運転手は「ミスで勤務形態の変更を命じられた運転手は、同僚の間で肩身の狭い思いをすることが多い」と心理的な影響を説明する。

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