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高齢者の暴走事故は止まらない… 進まない認知症検査、改善へ京都府警本腰

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高齢者の暴走事故は止まらない… 進まない認知症検査、改善へ京都府警本腰

改正道交法で義務づけられた臨時認知機能検査の流れ 改正道交法で義務づけられた臨時認知機能検査の流れ

 交通違反をした75歳以上のドライバーに臨時検査の受検を義務づけた改正道路交通法が施行されてから9カ月がたった。検査員不足などを背景に、京都府内では受検対象者約1600人のうち実際に受検したのは約500人と、受検率は34%にとどまる。京都府警は受け入れ態勢の強化に乗り出した。

 先月初め、京都駅前運転免許更新センター(京都市下京区)に高齢の男女十数人が集まっていた。改正道交法で新設された臨時認知機能検査を受けるためだ。

 同センターでは週2回、通常業務が終わる午後4時以降に検査を実施。見せられた絵を記憶するなどの問題を約30分かけて行う。

 行政書士の男性(77)=同市右京区=は10月に違反をしてからなかなか検査の予約がとれず、この日しか選択肢がなかったという。検査では認知機能の低下は認められなかった。「物忘れすることもあるが、自主返納は全く考えていない」と話した。

 平成29年3月に施行された改正道交法では、逆走などの通行区分違反や信号無視など、認知症が進んだら起こしやすい18項目のいずれかに違反した75歳以上のドライバーに、臨時認知機能検査の受検を義務づけた。

 検査の結果、「認知症の恐れあり」(第1分類)と判定されたドライバーは、医師の診断書を提出するか、病院で臨時適正検査を受ける必要がある。

 法改正前は免許更新時にのみ「認知機能検査」を受ければよいことになっていたため、改正により高齢ドライバーに指導を行う機会が増えることになった。

 府警運転免許試験課によると、29年1~10月に第1分類の判定をされた高齢者は494人。うち4人は免許停止、18人が免許取り消しとなった。

 検査は同センターや運転免許試験場(伏見区)のほか、府内の自動車教習所21カ所で受けられる。教習所には検査員が計300人以上いるが、免許取得者や更新者への対応に追われ、高齢違反者の検査まで対応しきれていない。一度に15人までしか検査を実施できないこともあり、検査待ちの期間は長期化している。

 そこで、府警は運転免許試験課に「高齢運転者支援隊」を12月1日に発足させた。32人いる支援隊のメンバーが更新時および臨時認知機能検査を集中的に実施することで、受検待ちを解消する狙いだ。

 また、府警は京都駅前運転免許更新センターに免許の自主返納専用の窓口も開設した。従来は他の手続きとともに受け付けていた。改正法の影響もあり、自主返納者数は増えている。29年1~10月の75歳以上の返納者数は3556人と、すでに前年1年間の人数を1561人上回っている。

 同課の担当者は「事故が起こる前に少しでも早く検査を受けてもらえるように態勢を整えたい」と話している。

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