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卵かけご飯、72万人舌鼓 岡山・美咲、町おこし10年

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卵かけご飯、72万人舌鼓 岡山・美咲、町おこし10年

卵かけご飯がお代わり自由の「黄福定食」 卵かけご飯がお代わり自由の「黄福定食」

 西日本最大級の養鶏場がある岡山県美咲町が、卵かけご飯で町おこしを始めて1月で10年になる。町などが運営する食堂にはこれまで約72万人が訪れた。素朴で優しい味が地域ににぎわいをもたらしている。

 「お代わりください」。次々注文を受けて店員がご飯と卵を運ぶ。平成20年1月に町などが出資する第三セクターが開いた「食堂かめっち。」。1番人気は卵の黄身と幸福を合わせて名付けた「黄福定食」(350円)だ。

 定食は、卵かけご飯がお代わり自由で、みそ汁と漬物付き。専用のたれが3種類あり、地元のしょうゆをベースにノリ、ネギ、シソがそれぞれ入って変化を楽しめる。休日を利用して来た同県津山市の会社員、大平俊紀さん(32)は「黄身が濃厚で安心する味」と話し、あっという間に3杯食べた。

 人口約1万5千人、05年に3町の合併でできた美咲町。観光地が少ない中、名物をつくろうと役場が目を付けたのが、町内で毎日約100万個を生産する養鶏場の卵と「日本の棚田百選」に認定された棚田の米だった。町出身の明治時代のジャーナリスト、岸田吟香(1833~1905年)が卵かけご飯を全国に広めたとの説にも着目し、町おこしの物語に組み込んだ。

 「家庭で作れるものをわざわざ食べに来るのか」。仕掛け人の一人、産業建設観光課の川島聖史さん(50)は当初は不安だったというが、メディアや口コミで評判が広がり、多い日は約500人が押し寄せる人気店に。

 棚田見学と合わせて店に来る外国人も増えている。川島さんは「生卵を食べる文化のない国の人にも安全な美咲町の味を伝えたい」と意気込む。

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