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【西論】将棋界 この1年 AIにはない白熱の人間ドラマ

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【西論】
将棋界 この1年 AIにはない白熱の人間ドラマ

プロ入り1年を迎え、「今後の糧になる1年だった」と語る藤井聡太四段=大阪市福島区の関西将棋会館(柿平博文撮影) プロ入り1年を迎え、「今後の糧になる1年だった」と語る藤井聡太四段=大阪市福島区の関西将棋会館(柿平博文撮影)

 今年の将棋界は例年にないほど盛り上がった1年だった。史上最多記録となる29連勝を樹立した最年少プロ、藤井聡太四段(15)の活躍に始まり、締めくくりは、羽生善治棋聖(きせい)(47)=竜王=が前人未到の「永世七冠」を達成した。年末には、囲碁で2度目の七冠独占を果たした井山裕太十段(28)とともに、羽生棋聖に国民栄誉賞授与が検討されているというニュースも飛び込んだ。

 ◆AIの衝撃

 思い起こせば、昨年の今頃は、このような盛況ぶりは想像できなかった。昨年秋に持ち上がった将棋ソフト不正使用疑惑騒動だ。竜王戦七番勝負の挑戦者に決まっていた三浦弘行九段に対局中のソフト不正使用の疑いが浮上したとして、日本将棋連盟は出場停止処分を科した。しかし2カ月後、第三者調査委員会が不正を裏付ける証拠はなかったと結論づけた。

 連盟は謝罪し、今年1月に谷川浩司前会長らが責任をとって辞任。2月、新会長に佐藤康光九段が就任した。

 将棋・囲碁はここ数年、AI(人工知能)の進歩の波に巻き込まれてきた。将棋は5月の電王戦(今年終了)で、将棋ソフト「PONANZA」に佐藤天彦(あまひこ)名人が敗れた。現役のタイトル保持者がソフトに敗れるのは初めてだった。囲碁でも「世界最強」とされる中国の柯潔(かけつ)九段が囲碁ソフト「アルファ碁」に負けた。

 チェスは1990年代、将棋・囲碁もここ数年でAIがプロ棋士を圧倒するようになり、プロ棋士の存在意義が問われる事態となった。将棋ソフト不正使用疑惑が持ち上がったのも、棋士の間で広がったこうした不安が背景にあったかもしれない。

 ◆2つの前人未到

 この暗い状況を吹き飛ばしたのが、藤井四段の活躍だ。

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