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【西論】大飯1、2号機存続問題 エネルギー安保を問う廃炉

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【西論】
大飯1、2号機存続問題 エネルギー安保を問う廃炉

関西電力の原子力発電所 関西電力の原子力発電所

 関西電力が大飯原発1、2号機(福井県)の廃炉を検討している。運転開始から40年近くたち、老朽化が懸念されるものの、補強工事や追加設備を施せば使い続けられる道もあるかもしれない。しかし、原発の稼働年限を原則40年としたルールの下、各電力会社の判断に委ねた結果、国内ではすでに5原発6基の廃炉が決まっている。廃炉へと傾くのは運転をやめた方が、継続するよりもコストが安上がりになる公算が大きいためだ。今後、廃炉で失う電源(発電出力ベース)の方が運転延長で確保できる電源を大きく上回る可能性があり、日本のエネルギー安全保障に影を落としている。

 ◆不透明な審査の見通し

 福島第1原発事故を受けて平成25(2013)年に施行された改正原子炉等規制法は原発の運転期間を原則として40年と規定。原子力規制委員会が作成した新規制基準による審査合格を条件に1回だけ20年を上限に運転を延長できる。「40年ルール」と呼ばれる。

 大飯1号機は昭和54(1979)年3月、2号機は同年12月に稼働。平成31年に運転開始から40年を迎える。従来、関電は高浜1、2号機(福井県)でそうであったように、運転延長に前向きだと思われた。大飯1、2号機の出力はいずれも117万5千キロワット。再稼働すれば月あたり計90億円の収支改善効果が見込まれる。

 大飯1、2号機の廃炉の検討に入ったのは運転延長申請をしても審査をクリアするには、想定を超えるような巨額の安全対策費が必要になる可能性があるからだ。

 大飯1、2号機は国内原発で唯一の特殊な安全装置を備えている。「アイスコンデンサ方式」と呼ばれ、原子炉格納容器に計1250トンの氷を常備。この氷を使って、事故時に発生する蒸気を急速に冷却し圧力を下げるシステムを付けている。ただ格納容器が小さめにできており、装置が正常に作動しないと、破損する恐れが指摘されている。この点を規制委がどう評価するかが不透明なのだ。

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