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【西論】日馬富士引退 角界は襟を正し 暴力根絶せよ

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【西論】
日馬富士引退 角界は襟を正し 暴力根絶せよ

現役を引退し、会見する日馬富士=11月29日、福岡県太宰府市(沢野貴信撮影) 現役を引退し、会見する日馬富士=11月29日、福岡県太宰府市(沢野貴信撮影)

 大相撲の元横綱日馬富士が、酒席で平幕貴ノ岩に暴力を振るって頭にけがをさせた責任を取って引退した。日馬富士は、鳥取県警の任意の事情聴取に対して暴行を認めており、傷害容疑で書類送検される見通しだ。角界最高位の現役横綱による極めて異例の不祥事は、角界の変わらぬ暴力体質やガバナンス(組織統治)を欠いた日本相撲協会の実態を浮き彫りにし、大きな波紋を広げている。

 ◆後手に回った対応

 「横綱の責任を感じ、本日をもって引退させていただきます。大変迷惑をお掛けしたことを心から深くおわび申し上げます」。福岡県太宰府市で行われた先月29日の引退会見で、日馬富士はこう謝罪し、深々と頭を下げた。

 暴行の経緯について、日馬富士は「弟弟子の礼儀がなっていないときに直し、正し、教えることが先輩の義務。彼を傷つけ世間を騒がせてしまった」と説明。暴行のきっかけは貴ノ岩の態度であり、後輩への「指導」だったと正当化するかのような発言で、角界の根深い暴力体質をうかがわせた。

 日馬富士は「酒を飲んだからこその事件じゃない」とも語り、10月下旬の暴行問題後に貴ノ岩と握手していたことを明かしたが、いかなる場合でも暴力は許されるものではない。

 加害者である日馬富士は先月12日に開幕した九州場所2日目まで、何事もなかったように土俵に上がった。さらに鳥取県警から連絡を受けた相撲協会は、同14日に一部報道で暴行問題が発覚するまで実質的な調査をしなかった。こうしたことを考えると、閉鎖的な角界と一般社会との間で暴力に対する感覚に大きなずれがあるように感じる。

 相撲協会がガバナンスを発揮し、暴行の事実を本場所前に公表していれば、相撲ファンの信頼をこれほどまでに失わなかったかもしれない。後手に回った対応の遅さが、混乱に拍車をかけたことは否めない。

 ◆繰り返される不祥事

 角界はこれまでも不祥事に見舞われ、相撲人気低迷の原因になってきた。平成19年の時津風部屋での力士暴行死亡事件では、暴行した元時津風親方と兄弟子3人は傷害致死容疑で逮捕され、元親方は実刑判決、兄弟子3人は執行猶予付きの有罪判決を受けた。

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