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【理研が語る】体の「右」と「左」の違いを生み出す仕組みは…“まさかの水流”だった 

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【理研が語る】
体の「右」と「左」の違いを生み出す仕組みは…“まさかの水流”だった 

「右」と「左」の違いを生み出す仕組み 「右」と「左」の違いを生み出す仕組み

 「私たちの体は、どのようにして左と右が決まるのだろうか?」

 皆さんも一度は、不思議に思ったことがあるだろう。

 私は幼いとき、右手と左手を見ながら、「どっちが右だっけ? お箸を持つほうが右で…。左にお箸を持つ友達はどっちが右なの? うーん、もうどちらが右でも左でもいいじゃん」とぼやいていた。そんな物覚えの悪い子供が、まさか数十年後、左右軸の起源について研究するようになるとは。人生は不思議なものだ。

 私たちの体は背腹軸、頭尾軸、左右軸という3つの軸で成り立っているが、左右軸が決定する仕組みは、他の軸とはひと味違う。というのも、左右軸は3つの軸のうち最後に決まるため、背腹軸、頭尾軸の2つの軸ができた時点で、実は自動的に決まっている。つまり、左右軸の形成は、背腹軸、頭尾軸の情報を受け取っているだけなのだ。

 では、その情報をどのようにして受け取っているのだろうか。その情報源は、驚くことに「水流」だ。胎児期に生じる一部の特殊な細胞には繊毛と呼ばれる毛が生えており、この毛が回転することによってできる「左向きの水流」が、「右」と「左」の違いを生み出すのだ。

 マウスの実験では、この水流を人工的に右向きにすると、「左」と「右」が逆転した体が形成される。左向きの水流からの物理的な刺激を受けて、そちら側を「左」だと感知しているわけだ。私は大学の授業でその事実を知って「まさかの水流ですか!」と驚愕し、もっと詳しく左右非対称な体ができる不思議を知りたくなって、ついついこの分野の研究の世界にのめり込んでしまった。

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