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【関西の議論】“神の使い”「奈良のシカ」捕殺に賛否…増えすぎて獣害、人との共生の境界は

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【関西の議論】
“神の使い”「奈良のシカ」捕殺に賛否…増えすぎて獣害、人との共生の境界は

観光客に鹿せんべいを食べさせてもらう奈良公園のシカ。奈良のシンボルだが、頭数が増え獣害が深刻化した地域での捕獲について賛否の議論が起きている 観光客に鹿せんべいを食べさせてもらう奈良公園のシカ。奈良のシンボルだが、頭数が増え獣害が深刻化した地域での捕獲について賛否の議論が起きている

 自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は8月、荒井正吾知事に対し、「シカの捕殺を中止し、防鹿柵の普及と強化に予算を使うべきだ」とする要望書を提出した。要望書では、「天然記念物である奈良のシカの問題を、捕殺という生命軽視思想で解決しようとするなど恥ずべき行為。この大地は人間だけのものではなく、すべての生き物に生きる権利がある」と批判している。

 一方、奈良市の農家約400戸でつくる鹿害阻止農家組合の担当者は「田植え直後に苗を食べられ、稲が実っても稲穂をやられる。被害は深刻だ」と訴える。組合では市からの補助を受けて防鹿柵の設置を進めるが、担当者は「集落一面を完全に柵で囲まなければ意味がないが、金銭的な問題もあり難しい」と頭を抱える。新しい柵を設置する間に他の柵が老朽化し、さびたり穴が開いたりした部分からシカが侵入するといい、「いたちごっこが続く現状では、捕獲はやむなし。県は捕獲とともに、柵の設置費用の補助を国に強く要望してほしい」と求めた。

 捕獲は始まったものの、県によると11月6日までに捕獲されたのは10頭。このままのスローペースでは、3月までに目に見える効果を上げられるかは不透明だが、県は市内の農家を対象に農作物被害の増減に関するアンケートを配布しており、年度内には調査結果をまとめる予定という。

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