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【関西の議論】“神の使い”「奈良のシカ」捕殺に賛否…増えすぎて獣害、人との共生の境界は

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【関西の議論】
“神の使い”「奈良のシカ」捕殺に賛否…増えすぎて獣害、人との共生の境界は

観光客に鹿せんべいを食べさせてもらう奈良公園のシカ。奈良のシンボルだが、頭数が増え獣害が深刻化した地域での捕獲について賛否の議論が起きている 観光客に鹿せんべいを食べさせてもらう奈良公園のシカ。奈良のシンボルだが、頭数が増え獣害が深刻化した地域での捕獲について賛否の議論が起きている

 観光客が多く訪れる奈良公園(奈良市)の象徴として知られる「奈良のシカ」をめぐり、いま大きな論争が巻き起こっている。古来神の使い「神鹿(しんろく)」としてあがめられ、国の天然記念物にも指定されているが、手厚く保護されてきたがゆえに頭数が増加。市東部の山間部では農作物を食い荒らす被害が深刻化し、奈良県が7月、ついに捕獲・処分に乗り出したのだ。どこまでシカを守り、どうやってシカから人の生活を守るのか。今回の対象は奈良公園のシカではないが、捕獲をめぐっては賛否の議論が噴出し、シカと人との共生を改めて考えさせられることとなった。(藤木祥平)

奈良のシカは神の使い

 つぶらな瞳と人懐こいしぐさが愛らしい奈良公園の人気者。「奈良といえばシカ」。誰もがそうイメージするほどシンボリックな存在であるが、歴史をひもとけば、起源は奈良時代にさかのぼる。

 同市の春日大社には大社創建の伝説として、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)(本殿第一殿の祭神)が白鹿に乗って鹿島神宮(茨城県)から奈良の御蓋山(みかさやま)に降り立ったという神話が伝わる。このため、春日大社境内や奈良公園一帯に生息する野生のシカは「神鹿」として信仰を集め、昭和32年には天然記念物に指定されるなど手厚く保護されてきた。

 だが、あまり知られていないのは、この天然記念物の指定範囲が「奈良市一円(旧都祁(つげ)村と旧月ケ瀬村を除く)に生息するニホンジカ」と極めて広範囲であることだ。奈良公園一帯で生息する人慣れしたシカと、公園から遠く離れた山間部で生まれ育った野生のシカは、その性格、行動範囲ともに違う。それでも、同じ「奈良のシカ」としてひとくくりに保護対象となっている。

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