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「靴の街」長田「震災打撃…新たな道模索」

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「靴の街」長田「震災打撃…新たな道模索」

 神戸市長田区を中心としたケミカルシューズの生産額は、阪神大震災前の水準(平成6年=約660億円)を回復できない状況が続いている。日本ケミカルシューズ工業組合の新井康夫理事長(62)は「生き残りをかけて新たな道を模索したい」と話す。

 長田区周辺には震災前年、靴メーカーが226社あったが、震災で約130社が倒産や廃業に追い込まれた。新井理事長も区内で靴メーカーを経営していたが、工場が全壊。「資金繰りが厳しく何度もやめようと思った。でも、長田に靴屋を残したいという一心」で工場を再建した。

 だが、火災で工場や機械を失ったメーカーは、コストの安い海外へ拠点を移していった。震災前から中国などの安い海外製品が流入していたが、震災が追い打ちをかけた形だ。新井理事長は「縫製や裁断といった下請けや内職の職人らが次々に職を失ってしまった」とため息を漏らす。

 局面を打開しようと、組合は21年、加盟メーカー25社で協力し、デザイン性と機能性を両立させた統一ブランド「神戸シューズ」を立ち上げた。26年3月には特許庁の地域団体商標に登録され、大手百貨店やインターネットでの販売を強化。今年3月には東京・銀座に組合初の直営店をオープンさせるなど再起に取り組む。

 新井理事長は「ブランド化を進めて全国に店舗を広げ、長田から靴業界を盛り上げていきたい」と前を見据えた。

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