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【理研が語る】「発生」と「再生」つなぐ鍵を求めて 清川寛文

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【理研が語る】
「発生」と「再生」つなぐ鍵を求めて 清川寛文

発生と再生に隠された共通性は? 発生と再生に隠された共通性は?

 「なぜ、ひとはいきているの?」と小さい頃に兄に質問したことがある。10歳離れた兄の答えは非常に明快で、「そんなことは考えるものじゃない、頭がおかしくなるぞ」だった。

 今考えれば実際的で有益な答えだったが、多くの子供がそうであるようにその答えに納得できず、大人になる過程でその質問を心のどこかにしまい込んでしまった。しかし、医師になってしばらくたった後、その質問は形を変えて再び自分の前に現れた。

 「なぜ、人は死ぬのか?」

 私は哲学者ではないので「なぜ」という疑問には答えられない。しかし医師としての自分には「どうすれば死なずに済むのか?」には答える責任があり、その答えを見つけるために私は「発生学」の研究室のドアをたたいた。

 発生学は未熟な細胞(未分化細胞)がいかにその機能を獲得し成熟(分化)するのかを研究する学問である。「発生」は非常にダイナミックな変化なのだが、美しいほどに厳密に制御され、われわれの体の基礎を成している。なぜ病気の研究をするのに発生学なのかと思われるだろうが、われわれの体では発生と似たような現象が常に起きている。それは「再生」だ。

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