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【平昌露選手団除外】政治とスポーツ切り離せないロシア 将来に禍根を残す五輪ボイコット 「選手には不正以外の選択肢なかった」

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【平昌露選手団除外】
政治とスポーツ切り離せないロシア 将来に禍根を残す五輪ボイコット 「選手には不正以外の選択肢なかった」

  ロシアのスポーツ界に蔓延していた組織的なドーピングが発覚したのは、この不正を根絶しようとする内部告発が端緒だった。

 最初に訴え出た陸上のユリア・ステパノワ選手は「ロシアの選手の間では、ドーピングは普通の話だった」と打ち明けた。やがて、ソチ五輪のドーピング検査所で所長を務め、隠蔽に深く関わったロトチェンコフ氏が国際オリンピック委員会(IOC)側の調査に協力し、全容が判明した。

 2014年のソチ五輪で行われた不正は大がかりなもので、連邦保安局(FSB、前身はKGB)も加担し、メダリストの尿検体のすり替えが行われていた。ロトチェンコフ氏はスポーツが国威発揚や政権浮揚に利用されるロシアでは「選手たちは不正する以外選択肢はなかった。彼らも犠牲者なのです」と語った。

 温床はソ連時代から続く悪習にある。昨夏のリオデジャネイロ五輪の際に現地で取材していた旧ソ連諸国モルドバの記者は「ロシアではスポーツと政治を切り離すことはできない。ロシアの文化であり、スポーツ省を解体しなければ問題は解決されない」と語った。

 メディアが統制下にあるロシアでは、この問題は「ロシアを貶めようとする米国の陰謀」と盛んに伝えられ、ロトチェンコフ氏を「裏切り者」とさえ呼び、全てを個人の責任に押しつけようとしている。IOCの決定にも猛反発しており、平昌五輪をボイコットする構えも見せている。

2014年のソチ冬季五輪開会式に出席したIOCのバッハ会長(左)とロシアのプーチン大統領(共同)

 五輪は1980年のモスクワ大会で、西側諸国がボイコットし、スポーツが冷戦の〝犠牲者〟になった。プーチン政権が再び平和の祭典を政治利用する決断を下すなら、誰よりもその代償を受けるのはフィギュアスケート女子のメドベージェワら自国の選手たちなのだ。

 将来に禍根を残してはならない。(佐々木正明)

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