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【この本おもろっ】「ウィヌクジュガージュトゥグル」の意味は? 消滅危機の言葉を集めた単語帳が人気「なくなりそうな世界のことば」

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【この本おもろっ】
「ウィヌクジュガージュトゥグル」の意味は? 消滅危機の言葉を集めた単語帳が人気「なくなりそうな世界のことば」

「なくなりそうな世界のことば」(吉岡乾著 西淑イラスト) 「なくなりそうな世界のことば」(吉岡乾著 西淑イラスト)

 選んだ言語は地域が持つ文化を色濃く反映した単語が多い。例えばパキスタンなどに住むワヒー人は「プルデュユーヴン」(話者3万人)という言葉がある。《家畜に乳を出す気にさせる》という表現は牧畜民ならではの発想だ。

 極東ロシアに2千人ほどの話者がいるコリャーク語で「ウィヌクジュガージュトゥグル」は、《7月末から8月初めに種雄トナカイが角を磨くときの暑さ》という意味。氷点下60度にもなる極寒の長い冬の後、束の間訪れる夏にも、暑さによって多彩な言葉がある。

言葉とともに失われる文化

 母国語とする人が最も多い中国語は9億人、9位の日本語でも1億2800万人。大勢の話者がいる大きな言葉を習得すればより多くの人と交流でき、グローバル化が進む一方、これまでに無数の小さな言葉が消えていった。吉岡さんは「言葉は文化を留めるための記憶装置。言葉とともに文化も失われるということでもある。小さな言葉にも目を向けてほしい」という。

 話者数の多い日本語を母国語としていると言葉の喪失の実感はわきにくい。だが、吉岡さんは「例えば『畳の縁を踏んではいけない』と英語で表現しづらい。そうなると縁という言葉は使われなくなり、ひいては特有の文化も衰退するかもしれない」と具体例を挙げる。さらに国内でも前述のアイヌ語をはじめ、消滅の危機に瀕している数多くの小さな言葉があることにも言及した。

 東京外国語大学でパキスタンの公用語ウルドゥー語を専攻したことを機に、現在言語学者として同国の7つの小さな言語を研究する吉岡さん。研究者が吉岡さんしかいない言語もある。

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