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【鬼筆のスポ魂】「ワシは金本が欲しい」闘将の決断に立ち会ったあの日 「祝」星野さんの野球殿堂入り

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【鬼筆のスポ魂】
「ワシは金本が欲しい」闘将の決断に立ち会ったあの日 「祝」星野さんの野球殿堂入り

自らの殿堂入りを祝うパーティーで阪神の金本監督(左)と話す星野仙一さん=1日、大阪市北区のホテル(山田喜貴撮影) 自らの殿堂入りを祝うパーティーで阪神の金本監督(左)と話す星野仙一さん=1日、大阪市北区のホテル(山田喜貴撮影)

 「ワシはいくら自分の生活が苦しくても親友の懐の財布を奪って、楽な生活がしたい…なんて思えないんや。それはワシの生き様(ざま)に反するんや」

 何の例え話かすぐにはピンとこなかったが、何かを訴えるような視線に続く言葉を待った。

 「ワシは金本を買っているんや。アイツは広島で野村や緒方、前田に比べて球団内の評価が低いんや。それに反骨を感じているんや。ワシは金本が欲しい。そやけど金本は浩二(山本監督)の懐の財布や…」

 こう打ち明けられたので「僕は…」と返した。「監督は阪神を優勝させるために来られたんでしょう。阪神ファンが喜ぶ顔を見るために来られたんでしょう。それなら私情を殺して親友の懐の財布を奪いましょう。阪神ファンは勝つことに飢えているんですよ」

 闘将は少し間を置くと「分かった」とうなずいた。続く東京遠征中(ヤクルト戦=神宮)に当時の野崎勝義球団社長、竹田邦夫球団専務と会談。闘将の意向は久万俊二郎オーナーに伝わり、金本のFA補強は大きく前に進んだ。

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