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【正木利和のスポカル】彫刻、写真、平面…大阪はいま巨匠たちの競演の場に

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【正木利和のスポカル】
彫刻、写真、平面…大阪はいま巨匠たちの競演の場に

「福岡道雄 つくらない彫刻家」展の展示風景。手前から木、針金などの廃材から作られた「集積」、石膏、ロープなどで制作された「飛ばねばよかった」、FRPとロープによる「ピンクバルーン」 「福岡道雄 つくらない彫刻家」展の展示風景。手前から木、針金などの廃材から作られた「集積」、石膏、ロープなどで制作された「飛ばねばよかった」、FRPとロープによる「ピンクバルーン」

 2005(平成17)年に「腐ったきんたま」と題された彫刻を発表した福岡は、制作の放棄を宣言した。しかし、実はいまもなお、制作と生活の接点をさぐっている。

 だからこそ「つくらない彫刻家」の作品たちは、「創作」するということの意味を、いつまでも突きつけてくるのであろう。

 12月24日まで。

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 同館では、同時に「態度が形になるとき-安齊重男による日本の70年代美術-」と題した写真展も行われている。

 神奈川・厚木市出身の安齊重男(1930~)は1970年から現在まで、多くのアーティストと交流しながら、美術の現場を撮り続けている。同年の「東京ビエンナーレ」を皮切りに、展覧会が終わると消えてしまう作品、そのとき限りの身体行為をずっとフィルムにおさめてきた。

 これまでにも、安齊の展覧会は2000年に「安齊重男の眼 1970-1999」(国立国際美術館)、07年には「安齊重男の私・写・録」(東京・国立新美術館)が開かれているが、今回も見応えのあるものになっている。

 この国立国際美術館のふたつの展覧会に加えて、大阪市浪速区元町のギャラリーほそかわ( http://www.galleryhosokawa.com/ )では「彫刻」の福岡、「写真」の安齊の二人に、「平面」の松谷武判(たけさだ)(1937~)を加えた「MONOCHROMES」というタイトルの三人展が開催されている。

 大阪出身の松谷は、前衛美術家の吉原治良(1905~1972年)をリーダーにあおぐ具体美術協会に参加、渡仏後、パリに在住し、いまなお国際的に活躍。ことしもベネチアビエンナーレ国際展に招聘(しょうへい)出品するなど精力的に活躍している。

 松谷もまた国立国際美術館で個展開催中の二人と同様、1930年代生まれ。同時代を生きる美術家ということもあり、同ギャラリーではそれぞれの作家の作品4点ずつをワンフロアに展示している。

 ギャラリーの3面の白い壁がそれぞれの作家のために使われるぜいたくな仕様で、シックな巨匠たちの作品が白と黒のおしゃれな空間をかたち作っている。

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