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【関西の議論】1日に2軒消える京都の町家、市の“奥の手”保全条例の効果は

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【関西の議論】
1日に2軒消える京都の町家、市の“奥の手”保全条例の効果は

設計事務所として使用されている築100年超の京町家。木の軸組みとダイナミックな吹き抜けが開放的だ=京都市上京区 設計事務所として使用されている築100年超の京町家。木の軸組みとダイナミックな吹き抜けが開放的だ=京都市上京区

 「ここで仕事ができたらどんなに気持ちがいいだろう」。まるまる一棟を借りて、改修を施し設計事務所として使い始めた。吹き抜けの両端には耐力壁を増設して支え、2階の床には剛性を持たせるなどして地震の揺れの力を均等に逃す設計だ。建物がもともと持つ強度を減退させないよう留意したという。「設計事務所として利用形態の提案にもなれば」とも考えた。

維持困難で…減る一方

 建物は木造であってもきちんと手入れをすれば2代、3代と使い続けることができる。しかし、久永さんのような例は少なく、建物の価値を継承することなく、解体される町家が後を絶たない。

 京都市は平成20(2008)~21年度に実施した調査で、4万7735軒の町家を把握していた。ところが28年度の調査では4万146軒に減少。市は少なくとも5602軒が滅失したとみており、年平均800軒、1日あたり2軒の割合で町家が消えている計算だ。さらに空き家率も前回調査の10・5%から14・5%と4ポイントも上昇した。

 そもそも京町家とはどういうものか。市は、隣地に接して外壁や高塀がある▽道に面した出入り口から長く続く細長い土間「通り庭」がある▽「火袋」と呼ばれる吹き抜けをもつ▽出格子や平格子の「格子」などの伝統的な形態やデザイン-を満たす木造家屋で、昭和25(1950)年の建築基準法施行以前に建てられたものと定義する。

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