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【世界を読む】中国で“不都合”論文を遮断した「ネイチャー」擁する出版大手…学問の自由への攻撃という新常態

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【世界を読む】
中国で“不都合”論文を遮断した「ネイチャー」擁する出版大手…学問の自由への攻撃という新常態

香港の大学の卒業式で「私を黙らせないで」と書いたプラカードを掲げ「香港独立」ポスターをめぐる規制に抗議する学生たち。中国当局は言論の自由への締め付けを中国ビジネスを展開する海外出版社や海外にいる中国人留学生にも拡大しようとしている=11月16日(AP) 香港の大学の卒業式で「私を黙らせないで」と書いたプラカードを掲げ「香港独立」ポスターをめぐる規制に抗議する学生たち。中国当局は言論の自由への締め付けを中国ビジネスを展開する海外出版社や海外にいる中国人留学生にも拡大しようとしている=11月16日(AP)

 オーストラリアのマッコーリー大で中国現代史などを教えるケビン・キャリコ氏は香港メディア「香港フリープレス」への投稿で、「ケンブリッジ」に比べて知名度の低さが関係する可能性もあるとしつつ、「中国市場へのアクセスで言論の自由が攻撃されることは、新しい常態と化してきたといえる。最初はショッキングでも徐々に慣れてしまうものだ」と指摘した。

締め付けは留学生にも

 天安門事件の学生指導者で米国で教鞭を執る人権活動家、王丹氏は、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、シュプリンガー・ネイチャーの件など中国の外にも言論弾圧が及んでいることに憂慮を示した。米国の大学でも中国人留学生が、仲間の行動を見張る留学生による密告を恐れ、中国政府についての批判を控える傾向があるという。

 王丹氏は、トランプ米大統領が11月の訪中で言論の自由の問題にはほとんど触れず「国境を越えて増大する権利の侵害を押し戻す気配もなかった」と批判。習氏に対する融和的な姿勢が、中国による西欧の民主的な組織への攻撃を勢いづけたと指摘した。

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