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【世界を読む】中国で“不都合”論文を遮断した「ネイチャー」擁する出版大手…学問の自由への攻撃という新常態

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【世界を読む】
中国で“不都合”論文を遮断した「ネイチャー」擁する出版大手…学問の自由への攻撃という新常態

香港の大学の卒業式で「私を黙らせないで」と書いたプラカードを掲げ「香港独立」ポスターをめぐる規制に抗議する学生たち。中国当局は言論の自由への締め付けを中国ビジネスを展開する海外出版社や海外にいる中国人留学生にも拡大しようとしている=11月16日(AP) 香港の大学の卒業式で「私を黙らせないで」と書いたプラカードを掲げ「香港独立」ポスターをめぐる規制に抗議する学生たち。中国当局は言論の自由への締め付けを中国ビジネスを展開する海外出版社や海外にいる中国人留学生にも拡大しようとしている=11月16日(AP)

 論文を遮断された中国の女性学者はFTに匿名で、「私の論文は前向きな内容なのに遮断するとは賢明なやり方ではない」と批判した。内容よりもむしろ、特定の言葉を含む論文のアクセスを遮断しているようだ。

 シュプリンガー・ネイチャーは、独シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネスメディアや英ネイチャー・パブリッシング・グループなどが統合して2015年に誕生した。科学や人文系の書籍を出す世界最大級の学術出版社で、「ネイチャー」や「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌を傘下に収める。従業員は50カ国超に1万人超という。

「1%以下」強調

 ロイター通信によると、シュプリンガー・ネイチャーは声明で「非常に残念だが、顧客へのより大きな影響を避けるために取られた措置だ」と説明。「編集への検閲ではなく、世界の他の地域でアクセスできる内容への影響はない。中国の法律に従うための決定だ」としている。また遮断の影響を受けるのは全体の1%以下だと強調し、「従わなければすべてのコンテンツがブロックされる危険にさらされる」と釈明した。

 微妙な言葉を含む論文を遮断する方法は、8月に発覚したケンブリッジ大出版局の場合と同じだ。同出版局も中国研究誌「チャイナ・クオータリー」に収録された「台湾」などの用語を含む論文315本について、中国国内でのアクセスを遮断した。ただ学術界から激しい批判を浴び、わずか数日で方針を撤回した。

協議継続が免罪符

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