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【理研が語る】子供の顔、目は妻似、口元は夫似…遺伝子を自在に操り“パーツ”選ぶ時代が来る?  

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【理研が語る】
子供の顔、目は妻似、口元は夫似…遺伝子を自在に操り“パーツ”選ぶ時代が来る?  

理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)生体モデル開発ユニットリーダーの清成寛さん 理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)生体モデル開発ユニットリーダーの清成寛さん

 先日、第2子が生まれた。次男である。長男の時もそうだったが、私と妻のどちらに似ているのかで親族、知人の間で議論になる。目は私、口元は妻、いや、すべて妻。人によって意見はさまざまである。息子2人はそっくりのように見えても、パーツごとに見ていくと、私であったり妻であったり、どっちとも言えなかったりと違いが見えてくる。同じ父親と母親から生まれてきたにも関わらず、このような違い(遺伝的多様性)が生じる原因のひとつに、相同組み換えという現象がある。

 染色体上のDNAの塩基配列がよく似た領域(相同領域)で起こる部分的な入れ替わり(組み換え)のことを、相同組み換えと呼ぶ。この現象は、精子や卵子といった配偶子の形成過程で高い頻度で起こる。つまり、私と妻のそれぞれの配偶子形成過程で、父方由来と母方由来の染色体間で相同組み換えが起こり、かつ、その組み換えパターンは配偶子ひとつひとつで異なるため、遺伝的多様性が生じるのだ。

 このように、よく似た塩基配列がそばにあると相同組み換えにより入れ替わるという現象は、実際の研究でもうまく利用されている。私は相同組み換えを用いて、ある特定の遺伝子が破壊されたノックアウトマウスと呼ばれるマウスを作製する、いわゆる技術屋だ。このノックアウトマウスを作製することにより、本来なら働くべき遺伝子が働かないことによる影響を調べ、その遺伝子が生体内でどういう役割をしているのかを理解するのである。また、単に遺伝子を破壊するだけでなく、挿入することも、入れ替える(例えばマウスとヒトの遺伝子を入れ替える)ことも可能だ。

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