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【銀幕裏の声】レイテ沖海戦の証言者(下) 沈みゆく最上に「敬礼をして見送り…」 元乗員が見た“史上最大の海戦”

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【銀幕裏の声】
レイテ沖海戦の証言者(下) 沈みゆく最上に「敬礼をして見送り…」 元乗員が見た“史上最大の海戦”

加藤さんは水上偵察機「瑞雲」に爆弾を搭載し出撃したという 加藤さんは水上偵察機「瑞雲」に爆弾を搭載し出撃したという

 「救助された乗員たちは敬礼をして沈んでいく最上を見送りました。ともに過ごした最上が沈んでいく…。感傷的な思いが沸き起こるとともに、艦内に残してきた戦死者や重傷を負った兵士たちのことを思うと涙が込み上げてきました」

水上機での爆撃

 最上の生き残った乗員たちを乗せた曙はマニラへ到着。加藤さんたち水上機の搭乗員たちはマバラカットの飛行場へと移動した。しかし、水上機乗りに休息している暇などなかった。

 「貴様は水上機乗りだから水上偵察機『瑞雲(ずいうん)』へ乗れ!」。マバラカットに着いた加藤さんは上官にこう命じられ、フィリピン北部のキャビテ(カヴィテ州)の基地へと転戦する。

 ここで瑞雲の機長となった加藤さんは米輸送船団などを爆撃する任務に就いたという。

 「250キロ爆弾を積んで何度も出撃しました。たいてい7~8機で出撃するのですが、多くが撃墜され、2~3機のみで帰ってくることも少なくなかったですね」

 瑞雲は複座型。後部座席に乗った機長の加藤さんが、風の流れを計測し、爆撃照準機をのぞき込む。  「“よーい、てっ(撃て=発射)”と号令をかけて爆弾を投下するのです」  米軍機に追われることもあったが、機長の加藤さんは「右!、左!」と前席の操縦士に指示。高速の瑞雲は急降下しながら雲の中に入り、追撃を振り切ったという。

 加藤さんは出撃の度に敵輸送船を撃沈し、何度も表彰を受けた。しかし、あるとき1機だけで生還した加藤さんに上官はこんな言葉を浴びせた。「貴様は本当に爆撃に行っているのか?」と。

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