産経WEST

【森友学園問題】会計検査院が適正価格を示せず 背任罪の検察捜査「ハードル高くなった」の声

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【森友学園問題】
会計検査院が適正価格を示せず 背任罪の検察捜査「ハードル高くなった」の声

学校法人「森友学園」の小学校建設用地=3月、大阪府豊中市(本社ヘリから) 学校法人「森友学園」の小学校建設用地=3月、大阪府豊中市(本社ヘリから)

 会計検査院の検査報告が出たことで、国有地売却問題で残る焦点は、大阪地検特捜部の捜査の行方となった。背任罪の成立には、森友学園側と交渉していた国の職員が、森友や自己の利益を図る目的や国に損害を与える意図があったことの立証が必要。その上、今回検査院が適正価格を示すことができなかったのは、“国の損害額”を明らかにできなかったともいえ、司法関係者から「背任罪のハードルが相当高くなった」との声が上がる。

  ■  ■  ■

 「会計のプロである会計検査院が金額を明らかにできなかった事実は重い」

 特捜部OBの弁護士は、検査院が適正額を示せなかった意味をこう解き明かし、「捜査と検査は別といっても、特捜部が検査院の結果を意識していることは間違いない。立証のハードルが高まった」とみる。

 特捜部は、弁護士らの背任罪の告発を受け、森友学園(大阪市)前理事長の籠池泰典(かごいけ・やすのり)被告(64)と妻の諄子(じゅんこ)被告(61)=ともに詐欺罪などで起訴=らの補助金詐取事件と並行して捜査。これまで、森友側と交渉をしてきた財務省近畿財務局職員や国土交通省大阪航空局の職員を任意聴取してきた。

 背任罪の立件には「自己や第三者に利益を図る目的」、または「国に損害を与える目的」が求められる。今回の問題でいえば、値引きに際してこうした意図が含まれていたかどうかの立証が必要だ。

 だが、籠池被告らと近畿財務局職員との交渉を記録したとされる音声データには、籠池被告らが「ぐーんと下げて」「損害賠償や」と値引きを求め、職員が「努力する作業を今やっている」と応じる様子が残されていた。国会でも国側は「損害賠償を請求される恐れもあった」と答弁、「森友側の利益を図る」という構図とはかけ離れている。

  ■  ■  ■

 大阪大大学院の品田智史准教授(刑法)によると、過大な値引きで「森友側の利益」や「国への損害」を与える可能性を職員らが認識していれば背任罪が成立する余地はある。だが、「過去も検察は、利益目的や自己保身という動機面を明らかにして立証している。今回もそれは不可欠と考えているのではないか」とみる。

 一連の問題では、森友側と親交のあった安倍昭恵首相夫人の存在などを背景にした職員の「忖度(そんたく)」を動機と位置づける向きもあるが、忖度程度で背任罪を成立させるのは難しいとの見方は根強い。

 ただ、事件の成否とは別に、巨額の値引きがなぜ可能だったのかなどが明らかにされることを国民は求めており、検察捜査の行方が注目されている。

関連トピックス

「産経WEST」のランキング