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【正木利和のスポカル】俳優、建築家、詩人…多彩な画家、オットー・ネーベルよ、おまえは何者

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【正木利和のスポカル】
俳優、建築家、詩人…多彩な画家、オットー・ネーベルよ、おまえは何者

オットー・ネーベル《アスコーナ・ロンコ》1927年、水彩、グアッシュ・紙、厚紙に貼付、ベルン美術館 オットー・ネーベル《アスコーナ・ロンコ》1927年、水彩、グアッシュ・紙、厚紙に貼付、ベルン美術館

 「かたち」か、「いろ」か。

 そのバランスをとることで生まれる絵画もいいが、印象に残るものは案外、どちらかにかたよっているのではないかと思う。

 色彩の画家と呼ばれる人たちがいる。

 たとえば、アンリ・マチス(1869~1954年)とか、ラウル・デュフィ(1877~1953年)がそうだ。ともに、フォービスム(野獣派)の画家だが、色彩というものを画家が主観を表現する道具として用いたことによって生まれてきた。

 それは、絵画の表現の幅をずいぶん広げる試みだったに違いない。

 幅を広げるという点で見れば、マチスにしてもデュフィにしても、「絵画」という枠におさまらない表現活動を行っている。

 マチスは「切り絵」という技法で「色彩のなかのデッサン」に取り組んだ。晩年、大きな手術を経て、体力の落ちたマチスは、筆をはさみに持ち替え、切り抜いた色紙を糊付けした色彩豊かな画面をつくってみせた。このほか、いくつかの彫刻作品も残している。

 デュフィは、生活のために木版画を作ったり、高名なファッションデザイナーのポール・ポワレと知り合ったことで、テキスタイルデザイナーのような仕事もこなした。

 おそらく、色彩画家は、表現方法にあまりこだわりを持たないのであろう。絵画だけに拘泥しない自由さが、「多才」へとつながっているのではないか。

   □    □

 いま、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、日本初の大回顧展が行われているスイスの画家、オットー・ネーベル(1892~1973年)もまた、建築や演劇、詩作など幅広い分野で才能を示した画家である。

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