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「メインと関係ない部分が意外なヒット」小説家、澤田瞳子さんが公開授業・講演会

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「メインと関係ない部分が意外なヒット」小説家、澤田瞳子さんが公開授業・講演会

創作活動について語る澤田瞳子さん(右)=奈良市の帝塚山大 創作活動について語る澤田瞳子さん(右)=奈良市の帝塚山大

 帝塚山大文学部に来春、「創作文芸・出版プログラム」が開設されるのを記念し、「若冲(じゃくちゅう)」などの作品で知られる小説家、澤田瞳子(とうこ)さんが「歴史を書く、歴史を探す」をテーマに公開授業・講演会を開いた。

 京都市生まれの澤田さんは平成22年、「孤鷹(こよう)の天」で小説家デビュー。「満つる月の如し 仏師・定朝」で第32回新田次郎文学賞を受賞し、江戸中期の京都で活躍した絵師を描いた「若冲」は第153回直木賞候補となった。現在、興福寺(奈良市)の中金堂再建を記念する「龍華記」を「小説 野性時代」で連載している。

 野性時代の山根隆徳編集長との対談形式で行われた講演では、資料が少ない古代を描く小説などについて話が進められ、学生ら約250人の聴講者が聞き入った。

 論文から小説の材料を得るという澤田さんは「まず論文を集め、これはいる、いらないと選ぶ。メインと関係ない部分が意外とヒットする」と裏話を紹介。興福寺旧境内から、南都焼き討ち後、同寺復興の瓦を焼いたとみられる窯跡が出土したニュースにも触れ「歴史小説が恐ろしいのは、書いている途中にこうした発見があること」と話した。

 デビュー当時は古代を描いた歴史小説が少なかったといい「人がやってないことを書きたい」と発奮。乏しい資料から想像力を膨らませる作業に面白さを感じるという。さらに「鎌倉・室町時代」への創作意欲を打ち明け、「大学のとき、クラブ活動で能をやっていたので能の話も書きたい」と語った。

 同大文学部日本文化学科に開設予定の創作文芸・出版プログラムでは、小説を書きたい学生、出版関係の仕事を目指す学生のために実践的な取り組みを行う。ゲストスピーカーとして作家、編集者らを招くことも検討しているという。

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