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【夕焼けエッセー】レオとペル

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【夕焼けエッセー】
レオとペル

 24年前の10月、箱に入れて捨てられていたのは、まだ目も開かず、へその緒がついたままの生まれたての2匹の子猫でした。

 レオとペルと名付け、一生懸命育てました。2時間おきにミルクを飲ませ、うんちやおしっこの世話をし、子供のいない私にとって育児のまね事を少しだけ経験させてもらいました。

 やんちゃだった子猫たちは元気にすくすく育ち、いつもそばにいてくれましたが5年前に19歳でペルが、そして今年24歳でレオが逝ってしまいました。

 ペルは体調が悪くなってからずっと2階から下りてきませんでした。最後の日、体が悪くて2階に上がれない母にお別れを言いにきたのでしょう。珍しく下に降りてきてしばらく母と私を見て2階に戻り、そのまま旅立っていきました。10月4日でした。

 それからのレオは、ますます「甘ったレオ」になって誰かがそばにいないとダメな子になりました。

 母が施設に移ることが決まったとき、家のことや自分のことより、何よりもレオのことが気掛かりだったのが分かっていたのか、あんなに元気だったレオが、母の入所3日前にまるで「私のことは心配しなくてもいいよ」と言っているかのように突然旅立っていきました。ペルと同じ10月4日でした。ペルもレオのことが心配で迎えに来たのかもしれません。

 レオとペルが好きだったクッションを持たせました。今頃一緒にクッションに座りこちらを見ているでしょうか?

 きっとまた会えるよね、レオ、ペル。

杉山多美恵(61) 奈良県王寺町 

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