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【理研が語る】触れずに空気吹きつけ「硬さ」測るセンサー、ドライアイアイ簡単に測定できる新技術に-科学の中のモノづくり 

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【理研が語る】
触れずに空気吹きつけ「硬さ」測るセンサー、ドライアイアイ簡単に測定できる新技術に-科学の中のモノづくり 

ノズルから空気を吹き付けて水を弾く。細胞などぬれ性が高いものが底面にあると、水はより小さく弾かれる ノズルから空気を吹き付けて水を弾く。細胞などぬれ性が高いものが底面にあると、水はより小さく弾かれる

 もともとロボットを作ってみたかった私は工学系に進み、晴れてロボットの研究室に配属された。研究テーマは触れずに硬さを測るセンサー。測りたいものに空気を吹き付け、そのときの変形の大きさで硬さを測る。硬さで肌年齢を測るなんてこともやっていた。

 博士課程も残すところ1年となったころ、東京の研究所で作られた再生医療に使われるというシート状の細胞組織の硬さを測ってみようということになった。しかし、皮膚ではうまくいっても、タマネギの薄皮ほどの厚さしかない細胞組織では変形がとらえられず、うまくいかなかった。ただ、空気を吹き付けたときに細胞組織を覆う培養液が弾かれる様子が、モノによってずいぶん違うなあと感じていた。

 その後、先方の研究所に博士研究員として在籍し、細胞培養や特定のタンパク質を観察する技術などを身につけて、この現象の解明に取り組んだ。通常の培養条件に比べて、栄養素が少ない条件では細胞組織表面にある水を保持しやすい分子が減り、水分を弾きやすい表面になっていることを突き止めた。

 後日、この発見は培養液などの液体に覆われた物体表面のぬれ性を評価するという新しい技術になった。水が張り付くように固体と液体の「仲良さ」を示す性質がぬれ性である。私たちの体の表面は、大部分が皮膚で覆われているが、目や口の中は、粘膜といって湿った表面で覆われている。

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